一般的な車道部のアスファルト舗装の設計寿命の10年を上回り、施工後15年経過した現在も歩行者系舗装材として舗装機能を維持している施工例。
- あけぼのこどもの森公園(「第14回 都市公園コンクール 建設大臣賞」受賞/飯能市)
- 福島県会津田島地区、及び山形県朝日村月山地区の公共工事(冬期はいずれも最低気温-15℃前後、積雪1.5~2.0mもある地域。「凍結融解現象」が心配されましたが、施工後13~15年経過しても凍害は発生しておらず、現在も舗装機能を維持しています。)
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透水性舗装材カラーサンドは鉄鋼副産物の「高炉水砕スラグ」を主要骨材とし、これにセメント混和剤及び無機質顔料を副資材に、これらを混合し転圧用機械で締固めて仕上げる環境指向型の新しい歩行者系環境舗装材です。
近年、都市の地表が建物や舗装で覆われてしまう為、「雨水」の70%近くが地下水にならず側溝に消えているといわれております。このため集中豪雨で下水が溢れ、中小河川が氾濫する「都市型洪水」や、夏期の地表温度の上昇による「ヒートアイランド現象」が環境面で問題になっております。当社が開発した透水性・保水性舗装材「カラーサンド」は、地球のかけがえのない水資源である「雨水」を地中に浸透・還元させることにより、都市部の「ヒートアイランド現象」を緩和し、湧水を復活させ、樹木や草花の成長をうながし、「水と緑の潤い」のある都市環境づくりに貢献する舗装材です。
実際に施工した現場での透水実験です。
園路にバケツの水をかけると…
当社舗装材に使用している「高炉水砕スラグ」は、大手鉄鋼高炉メーカーが厳重な品質管理のもとに製造しており、国が定める有害成分の溶出・含有試験はすべてクリアしています。従って数多くある「スラグ」の中でも最も「安全」且つ「無害」な人工骨材です。また「高炉水砕スラグ」は肥料やセメントの原材料の一部にも使用されております。
「高炉水砕スラグ」はその主要成分(シリカ、アルミナ、ライム、マグネシア)の特性により、セメント同様の「水和反応」が起こり、時間とともに「潜在水硬性」を発揮して固結する特性を持っています。
カラーサンドの骨材である「高炉水砕スラグ」は粒子そのものが無数の気泡を有し、角張った形状をしているため、土質学上の重要な特長である軽量性(1.3t/m3)と大きなせん断抵抗力(内部摩擦角35°)を有しています。このような「大きなせん断抵抗力」と、「潜在水硬性」を生かすことにより、舗装材としての「曲げ強度」が材令28日で、過去の施工例平均35kgf/cm2~45kgf/cm2を記録しております。
長年に及ぶフィールド実験、公的試験機関での各種物性試験を通し導き出した「ノウハウ」が認められ、特許取得済です。
一般的な車道部のアスファルト舗装の設計寿命の10年を上回り、施工後15年経過した現在も歩行者系舗装材として舗装機能を維持している施工例。
施工後14年経った現場の透水実験です。東北地方の豪雪地帯ですが、透水状況は良好で、凍害も見られません。
※透水性機能の維持状況は、現場の環境、管理の状況などにより異なります。
※カラーサンドは平成25年3月末で国交省をはじめ、全国の自治体が発注する「公共工事」において、歩道・公園園路・遊歩道・建築外構等の分野で採用が1,000件を超えました。
※舗装面の硬さがコンクリート舗装の1/3、アスファルト舗装の1/2程度であり、ソフトな歩行感覚にすぐれています。
※アスファルト舗装と比べ約10度低く、さわやか舗装です。
※冬期における凍結融解の反復作用に十分耐えられる「凍害に強い」舗装材です。
溶出・含有量試験によると全ての検査項目で基準値を下回っています。→試験結果
性能項目 | カラーサンド(透水性高炉スラグ舗装) | 一般的な土舗装 |
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曲げ強度 | 30kgf/cm2以上 | 10kgf/cm2程度 |
透水性能 | 2.0×10-2cm/sec以上 (0.02cm/sec) 30mm/hの激しい雨でも表面に水溜りはできにくい |
1.0×10-5~10-7cm/sec程度 (0.00001cm/sec) 10mm/hのやや強い雨では表面に水溜りができる |
保水性能 | 0.23g/m3 保水性舗装各種の中では非常に優れている。 t=7cmの場合、1m2で16ℓ保水する。 |
骨材が多孔質でないので保水力がない。 透水性能が低く、浸透量自体が少ない。 |
吸水性能(吸い上げ高さ) | 80%以上(30分後) 一般的な保水性インターロッキングブロックで70% |
多孔質形状ではなく、毛細管現象が起こらないため、ほとんどない。 |
耐凍害性 | 寒冷地・積雪地の施工でも凍害発生なし(東北15年経過) | 冬期の「凍結融解」に弱く、表面にハクリ、ひび割れ発生 |
耐用年数(平均) | 15年以上経過しても十分「舗装機能」を維持 | 3~5年で表面が劣化。表面ハクリ、凸凹状態になり歩行性に著しく支障をきたすケースが多い。 |
舗装色 | 標準5色(ソフトレッド・ライトブラウン・イエロー・サンドベージュ・ナチュラル) | 薄茶色1色のみ |
現場品質管理 | 現場ごとに「曲げ強度試験」の供試体を作製し公的試験機関にて試験実施。また施主・元請業者が立会い「現場透水試験」を実施。 | 現場ごとの曲げ強度試験及び現場透水試験は、殆ど実施していない。 |
同時期に施工された土系舗装と、当社カラーサンドの経年比較がみれる動画です。
15年経過した2つの園路の違いをご覧ください。
6年・11年・16年の経年比較資料はこちら
(注)路面性能及び具体的ニーズは、日本道路協会「舗装設計施工指針」より抜粋。
上記の通り、舗装設計施工指針において「歩道・自転車道」に求められる「路面要件」の全てを「カラーサンド」はクリアしており、歩行者系舗装の中で最もベストな舗装材です。
形式 | CS-I | CS-II | CS-III |
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標準断面 | |||
用途 | 歩行者及び自転車が専用に通行する歩道、広場、園路、自転車道 | 歩行者、自転車以外に総重量4t以下の管理用車両及び乗用車が通行する歩行者系道路 | 大型車及び緊急車両(大型消防車)が一時的に進入する構内道路 |
舗装構成根拠 | 「舗装設計便覧」第7章(7-3-9)「歩道および自転車道等の舗装」の中の「コンクリート系の舗装」に準拠 | 「舗装設計便覧」の転圧コンクリートの版厚(表6.2.4)に準拠 |
※路床の設計CBRが3未満の「軟弱地盤」の場合は、上記「フィルター層」(川砂等)を必ず設置してください。「凍上現象」が予想される場合も「フィルター層」をぜひともご採用ください。