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「透水性高炉スラグ舗装 カラーサンド」に採用している高炉水砕スラグの特性および効用について

当社の舗装材の骨材に採用している「高炉水砕スラグ」は、大手鉄鋼メーカーの高炉から銑鉄をつくる際に同時に副生されるもので、溶融状態で銑鉄の上部に浮かび上がってくるため容易に分離が可能となります。
その分離された溶融状態の副産物に加圧水を噴射し急冷処理することで微粉砕されたものが「高炉水砕スラグ」です。

【1】「鉄鋼スラグ」とは?

・「鉄鋼スラグ」は総称です

下記の分類表をご覧いただくと一目瞭然なのですが、「鉄鋼スラグ」とは総称であり、その中でも大手鉄鋼メーカーの高炉から出る副産物が「高炉スラグ」と呼ばれます。
「高炉スラグ」は冷まし方で、更に「高炉水砕スラグ」と「徐冷スラグ」に分類されます。

「高炉水砕スラグ」・・・加圧水により急冷され微粉砕されたもの。
「徐冷スラグ」・・・・・自然放冷と適度の散水により徐冷処理されたもの。

≪鉄鋼スラグ分類≫

≪高炉水砕スラグ≫

≪高炉水砕スラグ 拡大画像≫

【2】「高炉スラグ」の特性と一般的な用途

・「高炉スラグ」の特性

「高炉水砕スラグ」
・微粉砕により強い潜在水硬性を有する
・アルカリシリカ反応を起こさない

「徐冷スラグ」
・水硬性を有する
・アルカリシリカ反応を起こさない

・「高炉スラグ」の用途

「高炉水砕スラグ」
・微粉末化して高炉セメントの原料
・コンクリート用細骨材
・地盤改良材(裏込め材・盛土材・路床改良材)
・その他

「徐冷スラグ」
・コンクリート用粗骨材
・路盤材
・その他

【3】「高炉水砕スラグ」を採用した理由

・環境負荷低減

鉄鋼副産物であり高リサイクル率で環境負荷低減に寄与します。

・多孔質形状

「高炉水砕スラグ」の形状として「多孔質」であり、透水と保水を同時に機能します。

・潜在水硬性

時間の経過とともに雨水が浸透することで、じっくりと強度が増す性質があり、
舗装材として耐久性が向上します。

・内部摩擦角が大きい

内部摩擦角が大きいことで、骨材どうしがしっかりとかみ合い、斜路への施工に
も十分対応が可能となります。

・粒度が均一

天然骨材と異なり、粒度が均一となるため舗装材としての粒度バランスに優れて
います。

・安全性

有害物質の溶出は全く検出されず、安全性が確保されています。
※各高炉メーカーで定期的に測定もしています。

以上のように、副産物でリサイクル性にも優れ、舗装材として形状的にも性質的にも優れた特性を持つ「高炉水砕スラグ」を主要骨材として当社はアイテム展開をしています。