<技術情報シリーズ>保水性舗装『パワーペイブサンド』がポーラスコンクリート舗装より【曲げ強度】で優れている技術的根拠
●このたび新製品として発売した保水性舗装『パワーペイブサンド』は、当社が既に特許取得した透水性高炉スラグ舗装『カラーサンド』の技術特性、即ち高炉水砕スラグの持つ「潜在水硬性」と「せん断抵抗力」を生かし、これに細粒度砕石を組み合わせることにより、堅牢性・耐久性の面で従来からあるポーラスコンクリート舗装との差別化を図るために開発した、歩行者並びに管理車輌(4t未満)の通行を対象とし、透水性・保水性機能を併せ持つ、歩行者系道路舗装材である。
●透水性舗装としては、従来からポーラスコンクリートが有名であるが、曲げ強度がいずれのメーカーも一般的に2.5(N/㎟)が平均値である。
●当社の『パワーペイブサンド』の曲げ強度は、4.0(N/㎟)以上あり、ポーラスコンクリートの曲げ強度を上回る。
その曲げ強度が優れている技術的な理由は、
(1)骨材の高炉水砕スラグの「潜在水硬性」(水砕スラグの主要成分、即ちシリカ、アルミナ、ライム、マグネシアの特性により水和反応で時間の経過により潜在水硬性を発揮し、固結する特性)があること。
(2)高炉水砕スラグの粒子が角張った形状をしているため、土質学上の重要な特長である大きな「せん断抵抗力」(内部摩擦角30°以上)、並びに多孔質形状による透水性能(0.01cm/sec)を有していること。
(3)高炉水砕スラグと細粒度砕石との粒度バランス、並びにセメント、混和剤による最適配合比によること。
※本舗装材は既に特許申請を行っている。
●『パワーペイブサンド』はポーラスコンクリート舗装と同様に「透水性舗装」としての機能も併せ持つ。現場透水試験器を利用したフィールド実験では0.04cm/secの透水係数を実測しており、この数値は一般的に透水性舗装に求められている透水係数0.01cm/secを4倍も上回る。
●この優れた透水性能は骨材である高炉水砕スラグの「多孔質形状」によるものであり、従来からある透水性舗装材の殆どが骨材と骨材との空隙を通しての透水に対し、高炉水砕スラグを採用することにより骨材の多孔形状の内部を通しての透水によることが大きな違いとなっている。
●この高炉水砕スラグの多孔質形状は保水性能にも十分効果を発揮しており、次号の<技術情報シリーズ>で「『パワーペイブサンド』の保水性の優れている理由」をお知らせする予定である。