Technical Information

「透水性高炉スラグ舗装」と「ポーラスコンクリート舗装」との透水性・保水性機能の相違点について

[1]透水性能

  • 歩行者系道路舗装に求められる透水性の基準値は、0.01cm/sec以上です。
  • 「透水性高炉スラグ舗装(カラーサンド)」並びに「ポーラスコンクリート舗装」は、いずれもこの基準値をクリアし『透水性舗装』として十分機能を発揮しています。

ただし、透水機能については明らかな違いがあります。その違いとは—-透水性能相違点

「ポーラスコンクリート舗装」は、従来から長い歴史のある「透水アスコン」と全く同じ透水方法、即ち骨材と骨材との隙間を通しての透水であり、特別に目新しい透水方法ではありません。
それに対し「透水性高炉スラグ舗装(カラーサンド)」は、高炉水砕スラグが持つ「多孔質形状」の特性を生かし、骨材の無数かつ微細な空隙を通しての透水方法です。従来型の透水性舗装とは明らかに差別化できる新しい透水性舗装として、進歩性・新規性が認められ「特許」も取得しております。

◆「カラーサンド」の透水実験の様子はコチラをごらんください。

 

[2]保水性能とその効果

  • 「ポーラスコンクリート舗装」は骨材と骨材の隙間が空いており、その空隙率が25~30%と推定されています。この隙間を通じ雨が路盤に浸透するため、空隙に雨水が貯蓄される割合は少ないものと考えられます。
  • 一方「透水性高炉スラグ舗装(カラーサンド)」は、微細なミクロの空隙を有する骨材そのものの空隙率が30~35%あり、雨水がこの無数の空隙に貯蓄されるため、保水力に優れています。さらに、路盤の水を吸い上げる「毛細管現象」により、舗装表面から水を蒸発散させ、舗装表面の温度の上昇を抑制する効果があります。(ヒートアイランド現象の緩和)
    保水性能とその効果

 

[3]透水性能が持続する期間

  • 「ポーラスコンクリート舗装」は骨材と骨材との空隙を通じ雨水を舗装体の下部に浸透流下させる構造のため、雨水と同時に土や泥が空隙に流入することになります。このようにして舗装体の内部に流入した土砂は徐々に堆積し、目詰まりを起こし、施工後数年経過すると透水性能が著しく低下する可能性が大です。
  • 「透水性高炉スラグ舗装(カラーサンド)」は、微細なミクロの空隙を持つ骨材(高炉水砕スラグ)を採用しています。骨材と骨材との空隙ではなく骨材全体で透水をするため、その微細な隙間に土砂が入り込む比率が小さく、土砂は舗装表面に載っている状態となりますので、透水性能の維持できる期間はポーラスコンクリート舗装に比べ優るものと推測します。
    ちなみに、施工後12年経過したカラーサンドの透水実験(福島県会津田島地区の施工現場)はコチラの動画で確認していただけます。