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「環境型・高炉スラグ防草工」(グラスレスサンド)の概要

  • 法面における土の表面を整正した後、舗設面に仮設木枠を格子状に組み、木枠内側に硬質な瀝青繊維質目地板を型枠として設置。「軽量性」と大きな「せん断抵抗力」を持つ高炉水砕スラグを骨材に、セメント・混和剤等を混合した舗装材を型枠内に敷均し、所定の厚さに転圧して仕上げる防草工法です。
  • 法面部の構造は、表層(t=4㎝)下地層(t=3㎝)の2層構造で構成されています。2層構造にする目的は路床(現地土)に根を持つ雑草の生育を完全に遮断し、表面に繁殖することを抑え込むことにあります。
    ※表層材は高炉水砕スラグにポルトランドセメント、混和剤、無機系顔料を所定の比率で混合したものであり、下地材は高炉水砕スラグにセメントを一定の比率で混合したものです。
  • 「グラスレスサンド」(法面部)の対象は、法長3m、勾配角度45°以下を標準とします。また、「平坦部」及び「中央分離帯」を対象とする場合は、当社の透水性高炉スラグ舗装「カラーサンド」での施工対応となります
  • 「グラスレスサンド」は、H25年に特許取得した「斜面型枠工法及び斜面構造」(三和グランド)の技術を活用したものです。

グラスレスサンドの「環境」に及ぼすメリット

その①

雑草の繁殖をシャットアウトすることにより、蚊の大量発生や害虫の成育を未然に防止でき、住民の「快適な生活環境」を維持できます。

  • 防草工を通じ、地域に暮らす住民の方々に衛生環境面で貢献します。

その②

防草工の表面に「ソフトな色調」を施すことができ、周囲の景色と調和する「景観性」を演出することができます。

  • 他の雑草対策、防草材、防草工法の殆どが防草目的のみであり、グラスレスサンドは「景観性」への視点を併せ持つ環境指向型の防草工法です。
  • グラスレスサンドは「標準色5色」。その他「特別色」も可能です。

その③

グラスレスサンドは「景観性」への視点を併せ持つ環境指向型の防草工法

地球にとって、かけがえのない「水資源」である「雨水」を防草工の表面を通し地中に「還元」します。

  • モルタル吹付工法、及びコンクリート製品、防草シートによる雑草対策、防草材では貴重な雨水を地中に浸透することはできず、表面の排水処理しかできません。
  • 地中に雨水を還元することにより、地球の温暖化防止、及び環境負荷の軽減に貢献します。

グラスレスサンドの原材料に使用する「高炉水砕スラグ」の特性

グラスレスサンドの原材料に使用する「高炉水砕スラグ」の特性
  1. 大手鉄鋼メーカーの製鉄所で副産物として生成される「人工の砂」のため、品質上のバラツキが殆どありません。
  2. 水砕スラグの化学成分(石灰、シリカ、アルミナ、マグネシアが主成分)はセメントと同様な組成であり、時間の経過と共に「潜在水硬性」を発揮し固結する特性があります。
  3. 粒子が無数の気泡を有し、角張った形状をしているため、土質工学上の重要な特長である「軽量性」と大きな「せん断抵抗力」を持っています。
    ※単位体積重量(t/㎥)において水砕スラグが1.3、砂が1.8~2.0。
    比重(GS)は天然土砂とほぼ同様の2.6。しかし水砕スラグは粒子内に空隙が多く、粒子間の間隙が大きいため、単位体積重量は天然土砂より軽量となります。
  4. 高炉水砕スラグは大手鉄鋼メーカーの厳重な品質管理のもとに製造され、国が定める有害成分有無の「溶出試験」を全てクリア。従って数多くある各種「スラグ」の中で、最も「安全」且つ「無害」な骨材です。
  5. 「グリーン購入法」の特定調達品目に指定されているため「公共工事」における土工用資材として幅広く利用されています。

「グラスレスサンド」の多面的な機能

従来型防草工法(モルタル吹付工法、土系防草工法、防草シート)の欠点

従来型防草工法(モルタル吹付工法、土系防草工法、防草シート)の欠点

「二層構造」そして「型枠連結方式」の利点

「二層構造」そして「型枠連結方式」の利点

「瀝青繊維質系目地板」について

  1. 「瀝青繊維質系目地板」とは、耐水・耐蝕性に優れた植物繊維、パルプ等にアスファルト性物質を含浸、分散させて所定の厚さの板状にしたものです。
  2. コンクリート用目地板の性能として公団規格で規定されている「復元率」(65%以上)と「はみ出し」(4㎜以下)を クリアした高性能な「瀝青繊維質系目地板」を、「グラスレスサンド」の目地材に採用しています。
  3. 瀝青繊維質系目地板の持つ耐候性・耐久性により、長期間にわたり、セメントをバインダーとした舗装材の膨張収縮作用に対しひび割れが発生しにくく、目地材としての機能を十分発揮できます。
  4. 瀝青繊維質系目地板を表層部の連結部に設置することにより、表層が版構造として連結し、表層部を安定させます。
  5. コンクリート二次製品の型枠と比べ、施工手間及び製品価格の面で、瀝青繊維質系目地板の方が経済性に優れています。

グラスレスサンドの優れた特長

グラスレスサンドの優れた特長

「2層構造」で雑草の繁殖をシャットアウト

  • 「下地層」は土の表面の不陸状態を整正すると同時に、土の表面に残る雑草の根の部分、または種子を完全に被覆する役割を果たします。
  • 「表層」には硬質な目地板(t=2㎝)を採用し、1m×1mの型枠を組み、それを連結することにより斜面すべりに対する抵抗モーメントを増大させ、法面の安定を図ると共に、下地層と一体化し雑草の生育を「ダブル効果」で遮断する役割を果たします。

型枠連結工法による法面の安定

  • 「曲げ耐性」が高く、適度な「圧縮応力」を有し、且つ軽量で耐候性・耐腐食性に優れた「瀝青繊維質系目地板」を表層部の硬化体の型枠(1m×1m)とし、連結して法面に設置することにより、法面表層部の安定、並びに法面のすべり抵抗を補完します。
  • 型枠の寸法が1m×1mとコンパクトな「版構造」のため、硬化体の膨張伸縮によるひび割れ発生を抑制し、雑草の繁殖を防止します。

「透水性」「保水性」が抜群

  • 骨材が微細で多孔質な形状をしているため「面全体」で透水します。
  • 従来型の透水舗装では骨材と骨材の隙間を通じての透水のため、小さいゴミが目詰まりし、長期に及ぶと透水性が大幅に低下してしまうのが、ネックです。グラスレスサンドは「面全体」で透水するため、長期間にわたって透水性を維持します。
  • 微細で多孔質形状の骨材の空隙に表面からの雨水を保水すると共に、下地層及び路床に浸透した雨水も毛細管現象で吸上げ、地表面に蒸発散させます。
「透水性」「保水性」が抜群

長期に及ぶ耐久性の維持

  • 本防草工の表層に採用した材料(高炉水砕スラグ)の特性である「軽量性」と「せん断抵抗力」及び「潜在水硬性」により、法面の安定を増進すると共に、長期間にわたり「耐久性」を維持します。
  • 表層・下地層の骨材(高炉水砕スラグ)の透水・保水機能により、法面に設置された表層材及び下地材が雨水を斜面に沿ってゆるやかに保水・透水・流下させるため、法面の土の部分の崩落や洗掘を抑制することができます。
  • 表層及び下地層は、15年以上の施工実績を持つ透水性高炉スラグ舗装「カラーサンド」と同じ材料を採用している為、材料の品質性能は実証済です。

冬期の「凍結融解」に強い材料を採用

  • 高炉水砕スラグ(骨材)が「多孔質形状」であること、及び舗装材を構成する各種原材料の配合効果により、冬期の「凍結融解」の繰り返しに強く、凍害現象で劣化や破壊することはありません。(寒冷地の東北地方で、施工後15年経過した数多くの施工事例によって、証明済です)

平易でコンパクトな施工対応

  • 従来工法のモルタルを法面部に直接吹き付ける方法、またコンクリート二次製品などの設置で大型重機を使用する方法と比べ、グラスレスサンドは簡易な道具を使用して施工できるため、騒音・粉塵で周辺の住民環境に支障をきたすことがありません。

グラスレスサンド 構造図

①法面部

②平坦部


平坦部は透水性高炉スラグ舗装(製品名:カラーサンド)の構造と同一であり、既に15年以上にわたって防草効果は立証済です。

③中央分離帯

【備考】

  • グラスレスサンドは、表層及び下地層の2層構造で構成されています。
  • 2層構造にする目的は路床(現地土)に根を持つ雑草の育成を完全に遮断し、表面に繁殖することを抑え込むことにあります。

メンテナンス対応

  1. 1m×1mの小規模スパンで形成しているため、当該スパンを対象に部分的な補修が簡便に出来ます。微細な補修や目地材型枠の内部の打換えも可能。また10年以上経過後、必要に応じ目地材のみの取換えも可能です。
  2. 表層部の補修については、既に本防草工法に採用している舗装材を対象とした「補修マニュアル」を完備しているので、リアルタイムに対応できます。

表彰・登録

平成25年度 埼玉県新製品新技術紹介制度において「新技術」に登録されました。

カラーバリエーション

舗装構造・用途

形式 SG-I SG-II SG-III
標準断面
用途 法面部 平坦部 中央分離帯

製造および施工のフロー

カラーサンドの価格は「建設物価」に掲載されています。