透水性舗装材”カラーサンド”における「養生方法」とその効果
1)カラーサンド舗装における「養生方法」
【養生に必要な物】
①養生用マット(ウレタン製)
②ブルーシート(雨対策・保湿対策)
③土のう袋(養生シート押さえ用)
混練・敷均し・締固め・仕上げ作業終了後に、直ちに養生作業をおこないます。
【養生期間】
標準的な養生期間は、舗設後翌日から7日間必要です。
※夏期は4日間、冬期は7日間以上(品質機能を発揮するためには10日間)
【養生が必要な理由】
カラーサンド舗装は、セメントをバインダーとした舗装材であり、硬化促進のため湿潤状態での養生期間が必要となります。
【養生時の注意事項】
①養生マット・ブルーシートで覆ったのち、雨水や風の吹き込みを防止するために「土のう」または「角材」・「単管」などで押さえてください。
※「土のう袋」には、余った高炉水砕スラグを使用してください。
(土を入れると降雨時に土が染み出し、舗装面にまだら模様が出来てしまいます)
②舗装表面に乗るときは、カンジキ(スポンジ製またはゴム製)に履き替え、ゆっくりと移動しながら作業をおこなってください。
※かかとのある靴では、足跡が残ってしまいます。
③舗装した路面の両端が、舗装面より傾斜状に高くなっている地形の場合は、降雨時の流れ込みに注意し、両端をしっかりと養生してください。
④養生マットは舗装面積の約1.4倍~1.5倍程度用意してください。「重ね代」等によって舗装面積分のみでは不足することがあります。
⑤養生マットを敷くときは、表面を引きずらないでください。引きずるとせっかく仕上げた舗装表面がザラついてしまい、検査時の補修指摘事項となります。
2)養生による効果
セメントをバインダーとしたカラーサンド舗装では、硬化までに湿潤状態を保つことが肝要です。
・乾燥によるひび割れを抑制
・硬化までに悪影響を与える「日光の直射」・「風雨」・「乾燥」などを排除すること
ができます。
せっかく、締固め後にコテ仕上げを綺麗におこなっても、養生がしっかりとできないと、硬化までに初期ひび割れが発生してしまい残念な結果となってしまいます。
3)階段工の場合の養生について
階段工の場合は、舗設面と養生マットの間に空間をつくらずに養生することが必要です。
※踏面(ふみづら)と蹴上げ(けあげ)部分に密着させた状態で養生マットを敷設します。
≪階段工の養生例≫
[正しい養生方法]
階段の踏面(ふみづら)部分(ヨコ面)と、蹴上げ(けあげ)部分(タテ面)に密着させた状態で養生マットを敷設します。(マットを踏面の面積に合わせ、切断して使用しても可)
[誤った養生方法]
階段の斜面に沿って養生すると、三角形の空間が生じます。その隙間を風が通り抜けて、舗装表面が乾燥してしまい、ひび割れを発生させます。(施工後約1週間以内に発生)
この養生方法は絶対に避けてください。
4)参考
養生マットの推奨例
・トヨマットウレタン(厚み10mm 1m幅×30m巻)
・トヨマット不織布 (厚み3mm 1.2m幅×50m巻)
保水性に優れ、夏期の湿潤養生に効果を発揮します。
また断熱性保温性にも優れ、冬期の硬化熱の放散を防ぎ、適温養生に効果を発揮します。